大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(あ)3026 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人関田政雄の上告趣意について。

収賄者が賄賂を享受した後、贈賄者に同額の金員を返還しても、賄賂そのものを

返還したのではないから収賄者において既に享受した利益を追徴される責を免れる

ことを得ないと解すべきことは、当裁判所の判例とするところである(昭和二四年

(れ)一九九七号同年一二月一五日第一小法廷判決、判例集三巻一二号二〇二三頁

以下参照)。原判旨によれば、被告人Aはその収賄した現金のうち約二割を費消し、

その残額を妻が同被告人の他の預金と共に預人れ置いたものを引出してこれを判示

各贈賄者に返還したのであり、また被告人B及び同Cはいずれも収賄した現金のう

ち約半額を生活費に費消しその残額を一纒めにして所持していたものを判示各贈賄

者に返還したのであつて、要するに各被告人とも収賄した現金そのものを各贈賄者

にそれぞれ返還したのではなく、一旦賄賂を享受した後にその一部の金額に相当す

る金員を贈賄者に返還したに過ぎないのであるから、これにより追徴の責を免れる

ことを得ないというにある。されば原判決は前示当裁判所の判例と同旨に出でたも

のであつて原判決には所論のような違法はない。論旨は理由なきものである。

よつて刑訴四〇八条に従い、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二七年一二月二五日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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